Poem

大手メーカーの安定を捨て未経験からエンジニアへ転職

初心を忘れないように今のうちに転職を振り返っておく

東証一部上場メーカーを退職

新卒で入社してこれまで勤めてきた、いわゆる大企業を辞めることにした。ヨッシャ。

図体がでかい会社なので定年まで潰れることはそうないと思いつつも、業界自体は落ち目の産業という感じ。

下りエスカレーターにしがみつく人生はあまりにもみじめだと思ったので、転職した次第。カッチョイ〜〜。

転職までの紆余曲折

「現状が嫌だ」という単なるネガティブ側面だけを駆動力に転職してもうまくいかないことは火を見るより明らかだ。

といっても、やったことのないことに対していくら頭をひねってもマトモな答えなど見つかるはずもない。案ずるより産むが易し、ということで様々なプログラミング学習や副業ほかにチャレンジした。

実際に副業なりをやってみて、天才なのでどれもうまくいってしまった。
自分にはIT関連分野の適性があると確信し、転職活動に移行した。

適性とは

曲がりなりにも社会人として数年間働いてきて、仕事に対する「適性」についての持論を持つに至ったので書いておく。

それは**「普通の人だったらダメージを負うようなシーンでも自分は回復できる」**ような環境だと言えるだろう。

学生のときは適性を「普通の人より負うダメージが少ない」くらいで捉えていたのだが、これは違った。マジでアホ。

というのも正社員として働く以上、仕事というのは毎日逃れることのできないものであり、一般の人々と比べてどれだけ被ダメが少なかろうが、ダメージは必ず蓄積していくからである。

また、多くの人間が関わり合えば利害関係が一致しない場面が生じるのは必然であり、働く前には想定だにしていなかったストレス要因が次々と襲いかかってくるのもまた避けようのないことだ。

要するに仕事をしていればダメージは常に降りかかってくるので、常に回復状態くらいでやっとちょうどいいのだ。

持続可能な働き方をしたいのなら、まずその仕事に対して素人目線で想定しうるストレス要因を洗い出してみて、それらを見て「自分にとってそれは好物です」と言えるような領域を選ぶ必要があるだろう。いやマジでよ。

上記を踏まえたうえで、副業等々で多少なりとも真似事はやってみて、それでも自分はIT領域に適性がある可能性が高いと判断するに至ったということになる。

転職活動自体はおおむね順調

転職にあたっては、数社を受けた。たった数社と思うかもしれないが自分を天才だと信じてやまない愚か者ゆえの結果である。

コロナ禍で世間的には未経験エンジニア転職がかなり地獄の様相を呈しているらしいのだが、幸い、面接では総じて高く評価してもらえたのではないかと思う。

1社目は200名オーバーの応募があったそうだが、最後の2人だか3人だかまで残ることができた。
その企業では最終的に経験者を採用されたとのことだが、次回の応募では優先的に声掛けさせてほしいという言葉も頂いた。

どんなに募集が多かろうと絶対に受かるつもりでアタックしていたので、その時点では他の会社は一切受けていなかった。蛮勇。

その後、少し落ち込みはしたものの、多くの未経験者が200社300社と書類に応募してようやく何社か面接にありつけるという状況を考えれば、一発目から社長面接までいけたのは快挙だと言ってもよいのではないかと思い直すことにした。やはり天才。

その後、気を取り直して未経験からフルリモート希望、かつ未経験にしては希望年収高めという蛮勇ともいえる条件で数社に応募した。

また、同時に受ける企業の数は意図的に少なくした。
たくさん受けて手が回らなくなったり、焦って失敗するくらいならより希望に合致する企業から順に受けていったほうが良いと考えたためである。こういうのをもっともらしい理由の後付けと呼ぶ。

ちなみに、書類時点でお祈りは2社(お祈りメッセージを要約すると「未経験はお呼びじゃねえよ」という感じ)。

残りは4社受けてすべて2次以上の面接に進んだ。面接さえ受けれれば持ち前の超絶トークスキルが炸裂するらしい。
ちなみに、面接の最後にはほぼ必ず「今日の面接を通じて私という人物をどう感じたのか率直に教えてほしい」というような質問をした。

  • 受け答えが的確で速い、地頭が良さそうな印象を受ける
  • エンジニアを志望する層の中ではコミュニケーション能力は非常に高い方だと言える
  • 自己研鑽、自己分析をよくしていると感じる
  • 未経験者に期待する、技術的なキャッチアップの能力(これからの伸びしろ)は高そうに感じる

といったコメントを複数の企業で共通して頂いたので、やはり評価されやすく適性のある領域であると再認識した。つまりは天才。

中でも特に高く評価されていると感じ、かつ自分も好ましいと感じた一社に行くことを決めた。
その時点では最終面接を控えていた企業もあり結果を確認したい気持ちもあったが、すでに気持ちが固まっている状態で相手に無駄な時間を割かせるのは不誠実だと感じたので、すべて辞退の連絡をした。天才というだけにとどまらず徳も高いのである。

今後の予定

今月の上旬に現職を退職してきた。あまりにも清々しい気分で極寒の冬(北海道)で思わず全裸になって駆け出すところだった。

面接応募当初は退職うんぬんで揉めた場合を想定して2月入社として意向を伝えていたが、無理を言って繰り上げてもらい、年明けから転職先で勤務をスタートする。

扱うのは主にクラウド領域となる予定。先進的ィ〜〜
未経験スタートということで、より最新鋭の領域であるほうが同じキャッチアップの努力をするにしても優位性を得やすいだろうという配慮ある采配を賜った形である。

入社時期の話もそうだが、本当にこっちが驚くほど便宜を図ってもらっていて、これは結果で返さないと天罰が下ると思っている。 最終面接の際にも「もし内定となるのであれば、配属予定先のエンジニアの方々と直接会話させてほしい」と要望したところ快く応えてくださり、オンラインミーティングの機会を頂いた。

意訳すれば「まだ入るかどうかは決めてないが、俺の安心のために、あんたの会社の労働資本を1時間×数人ほど割いてくれ」という極めて傲慢な依頼だ。
時代が時代なら、その場で切り捨て御免にされてもおかしくない傲岸不遜な振る舞いである。

実際にミーティングを経てみて、未経験の新参者である私にも、非常に丁寧かつ敬意をもった対応で、かなり安心できた。
また、驚いたのは、上位者の方々でも総じて敬語で接してくださったことである。

「これほどまでに心理的安全性の高そうな職場がこの世の中に存在するとは……」と桃源郷にたどり着いた旅人のような気分を味わったのであった。

そこで気付いた。

俺が天才なのではなく、転職先の企業やそこで働く人々こそが優秀で徳も高いのだ」ということに。

完全に思い知らされた。これからは謙虚に慎ましく生きていこう……。

そう天に誓った今は2020年の12月、2021年からはまた新たな日々が始まっていく。