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「世界で一番やさしい会議の教科書」を読んだ

やはり実践的な観点で書かれた本を読むのはよい

読んだ本

読んだのはこれ。
Kindle Unlimitedだと無料だし、ストーリー形式になってるので手軽にサクッと読めます。

結論、めちゃ良書

なんというか、本を選ぶときに初心者向けに書かれたようなものだとチャチな感じがして敬遠しがち、みたいなのあると思うんですけど、そういう変なプライドを捨てるのって大事だなと思わされました。

内容がとてもわかりやすいし、会議に苦労している主人公の成長にそった流れで書かれているので非常に実践的です。 まず何から注力すべきなのか、とかちゃんとフォーカスされてるんですよね。

どうしても、初学の分野を学習すると単語ばっかり覚えた頭でっかちになりやすい傾向があると思うんですが(私だけ?)、いわゆる仰々しい名前のついたテクニックの羅列みたいなのが一切ないんですよね。 それこそ中学生とか高校生がわかるような平易な言葉づかいで、手段や段取りの説明がされてます。

内容の紹介

ここで変に内容を切り取って紹介しても、なぜそれが大事なのかという動機づけの部分がなかなか伝わらないと思うので、ある程度のリテラシーがある人なら動機の部分は自明かな、という序盤部分を少しだけ引用で紹介しようと思います。

ファシリテーションに対する誤解

いきなり戦略コンサルみたいに意識高くならずに、普通の会社員が再現可能な範囲からやっていきましょうよということがまず書かれています。

世の中には会議本が数多く出回っている。それなのになぜこれほど日本の会議は良くならないのか?

そうした書籍で取り上げられている方法論はきわめて高度だ。SWOT分析や3Cフレームワークなど、日常的な会議で使いこなすのは至難の技である。

「決まったこと」を確認する

会議の最後に、決まったことについて必ずコンセンサスを得るようにしましょうということが言われています。
基本的に何かを決めたいから会議は開催されます。決まったことがあやふやなまま終わる会議は大きな時間の無駄になります。

「聞いていなかったから悪い」で済ますんじゃなくて、そうならないように会議を進める技術をファシリテーションって言うんだよ。

やるべきことは、“誰が、いつまでに、何をするか”を明確にした方がいい。

決まったことって、会議の最初や途中に散らばっているんだけど、時間がたつと忘れちゃうのよね。

そうなの。確認するだけなのにね。それにスッキリするというか、“決まった感じ”がグッと出るわ。

決まったことと、やるべきことを確認したら、会議の後に参加者全員に確認の結果をメールするといい。備忘録になるし、やるべきことをプッシュする効果もある。

「終了条件」と「予定時間」を確認する

とにかく会議というのは時間オーバーしがちです。その割に、解決へ向かっていない部分で多くの時間が消費されていたりします。
アンチパターンを紹介しつつ、この会議の終了条件はなんなのか議題ごとの時間配分を事前に共有しておくと有意義な議論が増えます。

「時間通り終わらない」「関係ない話が多い」「話が脱線する」「議論すべき話なのか不要な話なのか判断できない」

「終了条件に合致する状態を作りだそう!」と全員が思っていれば、自然とベクトルがそろう。逆に終了条件が不明確だと何をどのくらい議論すればいいのか分からない

“××について意見を出してください”だと、終了条件がさっぱり分からない。意見をどこまで言ったら会議が終わるのか誰もイメージできないだろう?

目指すべき状態を共有しておくことが大事なんだ。たったそれだけで、全員が勝手にその目標に向かってくれるようになる。

予定時間と、実際にかかった時間を明らかにしておかないと、振り返って良し悪しを考えることすらできない。当然これでは生産性など上がるはずがない。

このあたり、言われれば誰もが納得できる話だと思います。でも、そうした

基礎的なことをキチンやる難しさ

ということも本書ではちゃんと触れられています。そんなこと言われなくても分かってるよ!ということほどちゃんとやりましょう、ということになります。
それ以外にも、個人的にうなずきすぎて首が外れそうになったものを少しだけピックアップします。

会議で資料の読み上げ禁止

会議で一番無駄な時間は、「資料を読み上げる」時間だ。誰かが音読するより、ここに黙読する方がはるかに早い。

「会議の目的」は非常に難しい

「目的」という言葉で逃げずに「終了条件」を考えてほしい。

おわりに

この著者はこれ以外に世界で一番やさしい 資料作りの教科書という本も出してるみたいです。 個人的に興味があるので時間をみてこっちも読んでおこうかな、と思います。